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80歳の営業マン

2014.03.27
有機農業には一般的に牛豚や鶏のふんを堆肥化したものが使われますが、家畜を飼いながら自分で堆肥にして作物を作っているという人が少なくなりましたね。  指宿の前園さんはついこの前まで牛を飼っていて、牛ふんを野菜作りに活かしていましたが、もう牛を飼うのをやめてしまいました。 「牛を可愛がる気持ちがなくなったときにはやめる」つもりでいたらしいですが、そのときが来たようです。  阜?ォはそういう理由でやめたことになっていますが、家畜を飼いながらの野菜づくりというのは相当な重労働だと思います。 毎日のエサやりとふん尿掃除、牛の体調観察、エサの確保も常に考えないといけません。飼料穀物の価格もここ数年右肩上がりですよね。そんなマイナス要因が重なっての決断だと思いますが、家畜を飼いながらの農業がだんだんと難しくなっているのかもしれません。  もう一人、曽於市の花牟礼さんはすでに80歳を過ぎているおじいちゃんですが、あくなき探究心で豚を本格的に飼い始めました。その豚肉を使ったウインナーは市販品みたいなパリッと感がないんですが、添加物も一切なしで好きな人からはとても好まれる食の家族のヒット商品になりました。農園食堂森のかぞくで使っているのもこのウインナーです。そんな豚肉をもって「ここでも売ってくいやい」と80歳のおじいちゃんが営業に回っているんですから、飽くなき農業家だと思います。  でも豚に力を入れたら今度は野菜を作る時間が少なくなったようで、最近はあまり野菜がでてきません。野菜作りと畜産を組み合わせた「有畜複合経営」は理想的ではあるんですが、なかなか現実ものにするには簡単じゃなく、大規模グローバル畜産の荒波の中での有機農業の立ち位置の難しさを感じるこの頃です。